高校向けICT教育(プログラミング教育関連で関わった学校イベント)の様子
NTTテクノクロスに在籍するエンジニアがおくる「プログラミング教育・キャリア教育」のブログです。
エンジニアが本気で小学生向けプログラミング教育をやってみた
- 2025年11月19日公開
はじめに
こんにちは。NTTテクノクロス IOWNデジタルツインプラットフォーム事業部の神原 健一です。
当社では、次世代を担う若者に向けたサステナビリティ活動の一環として、技術教育支援を通じた社会貢献活動にも取り組んでいます。 今回は、以前、本ブログでご紹介させていただきました、東京都内にある晴海総合高等学校におけるプログラミング教育の一環として、9月に開催された学園祭「晴海祭」での中間発表会の様子をお伝えします。
本活動の背景
東京都立晴海総合高等学校では探究Ⅱの授業(「協働」「社会」「課題解決」の3つをキーワードにした探究学習)の一環として、 スマートフォンアプリ開発に興味を持った38名の生徒が8つの班に分かれ、それぞれが社会課題の解決や地域貢献をテーマに、 オリジナルアプリの開発に挑戦しています。ご縁があり、当社でその技術指導を担当しています。
9/21に同校の学園祭である「晴海祭」が開催され、中間発表会が行われました。 当社社員は第三者視点で客観的に聞かせてもらい、気づいたことなどを生徒さんにフィードバックさせていただきました。

当社から4名の社員が参加し、生徒の発表を聴講・講評しました。

それでは、参加したメンバー毎にコメントを紹介します。
神原 健一(IOWNデジタルツインプラットフォーム事業部)
5月のキックオフから約4ヶ月、生徒たちの技術的成長を実感できる発表会となりました。
まずは「技術面」での成長です。プログラミングに関して、経験が0、もしくは、浅い状態からのスタートながら、初回に実施した「プログラミング基礎&生成AI活用」の授業で伝えた内容を活かしつつ、幾度も課題に遭遇しては、着実に乗り越えてきた様子が伝わってきました。また、発生する課題の一部は、優先度を踏まえ、あえて、取り組まないや他の案で対応するといった工夫も見られました。
次に「社会的視点」での成長です。全ての班に共通していたのが、いわゆる、ありふれた既に存在するようなアプリのアイディアではなく、自分たちや学校の仲間、地域、そして、誰かが困っていることや便利になるといいなと思うことをテーマに設定していたことでした。実際に、発表を拝見していると、このアプリが完成したら、喜んで使う人がたくさん出てくるだろうなと思うものが多々ありました。
この調子でぜひ魅力的なアプリを完成して欲しいと願っています。
高橋 悦子(IOWNデジタルツインプラットフォーム事業部)
晴海祭での生徒さんの発表を聴講し、講評してまいりました。 どの班も「班ごとの特色」があり、高校生らしさがうかがえました。その中でも「既存のサービスと競合しないこと」や「機能ごとの各自分担」「使われることを前提に現在の自分たちの困りごとを解決することからテーマを決める」など、聞いている側も勉強になる取り組みがありました。 それぞれの班の発表で、お互いに勉強になっていることもうかがえてこの先の各班の取り組みが楽しみです。
なお、他企業が担当した組の発表も参考に聴講してきましたが「起業精神を培うには」など興味深いテーマの取り組みもあり、勉強になりました。 入場チェックに二次元バーコードアンケートを用いたり、面白い取り組みが随所に見えました。 色々得られるものが多かったです。侮りがたし、高校文化祭。
戸部 雄太郎(IOWNデジタルツインプラットフォーム事業部)
当社として担当している生徒の皆さんには、 地図を使ったアプリのサンプルをベースに、独自に拡張する形でアプリ作成に取り組んでいただいています。
比較的かっちりしたテーマではあると思いますが、各班苦労はしつつも、それぞれ独自性を持ったアプリ作りを進めていました。 一例: ・新入生などが学校の中で迷わないようにするアプリ ・もんじゃ屋の紹介アプリ ・旅先で日記を残すアプリ ・オリジナルのキモかわキャラを育てるアプリ また、単にアプリを作るだけでなく、 プロモーションビデオを作る班や、もんじゃ屋について多角的に分析をしてアプリに取り込むなど、成果をより高めるための工夫をしているところも見られ、12月の最終成果が楽しみです。
なお、終了後にはもんじゃを食べに行きました。
渡部 瑞枝(デジタルトランスフォーメーション事業部)
晴海祭当日は、お天気にも恵まれ、爽やかで気持ちの良い一日となりました。 個人的には、自分の子どもたちはもう高校を卒業してしまったため、高校の文化祭に足を運ぶのは久しぶりでした。ましてや自分の息子が所属している学校以外の文化祭に伺う機会は珍しく、心が躍りました。 入場するにはスマートフォンで登録が必要という、現代風の仕組みが取り入れてありました。
探究ⅡのNTTテクノクロスの担当するパートにおける8つの班の発表を見学しましたが、どの発表も生徒の皆さんが一生懸命取り組んでいる姿勢が非常に素晴らしいと思いました。発表の準備だけでなく、そこまでに至る前にアプリの仕様検討や調査に頭をひねり、手を動かしてアプリを作成してきた様子を垣間見ることができ、大変見応えがありました。「地図を用いたアプリ」と言っても、各班で様々なアプリが考案されて、それぞれ個性を発揮していたことも印象的でした。 ここまでの取り組みで生徒さんたちはもちろん、ご指導される学校の先生方、ご理解とご協力を賜ったご家族の皆様、地域の皆様に感謝いたします。
本活動における技術的アプローチ
ここからは、本活動で採用した技術的アプローチについてご紹介します。こうした教育支援活動における課題の一つが、限られたリソースの中でいかに効果的な支援を行うかという点でした。
プログラミング経験がない、もしくは、少ない状態からのスタートで、取り組んでいると、当然ながら様々な課題に遭遇します。生徒さんも限られた時間の中でアプリを開発する必要がある状況でした。
一方で、当社メンバーも定常業務を行なっている状況で、その合間に時間を捻出しながら、こういった活動を行っています。そのため、生徒さんからの質問に、個別に逐次対応するのは、なかなか現実的ではないという状況が想定されました。
そこで、以下の技術的アプローチを採用しました。生徒が主体的かつ効果的にアプリ開発を進められるよう、初回に、「プログラミング基礎&生成AI活用」を授業として当社社員が実施しました。
「プログラミング基礎」では、アプリ開発に用いる「MIT App Inventor 2」を実際に使いながら、その特徴やアプリ開発の流れを学んでもらいました。 「生成AI活用」では、チャット型の生成AIを使いながら、想定されるQAを実際に試すとともに、生成AIならではの問題の1つである、回答が全て正解とは限らないハルシネーションなども合わせて伝えました。
これらを実施したことで、生徒さんが効果的に技術面でのキャッチアップを行えたようです。
最後に
当社は、技術を通じた次世代人材育成を、持続可能な社会の実現に向けた重要な取り組みの一つと位置づけています。 本活動は、SDGs目標4「質の高い教育をみんなに」への貢献の一環でもあります。
当社の社会貢献活動については、こちらでもご紹介しています。
今後も本ブログで活動の様子をお伝えしてまいります。楽しみにしていただけるとうれしいです。

サステナビリティ活動として、プログラミング教育・キャリア教育を担当しています。

