高校向けICT教育(キャリア教育&プログラミング教育)の取り組み
NTTテクノクロスに在籍するエンジニアがおくる「プログラミング教育・キャリア教育」のブログです。
エンジニアが本気で小学生向けプログラミング教育をやってみた
- 2025年09月02日公開
はじめに
こんにちは。NTTテクノクロス IOWNデジタルツインプラットフォーム事業部の神原 健一です。今回は、『神奈川県内の高校向けに実施したICT教育』の様子をお伝えします。
本活動のきっかけ
神奈川県横浜市にある 「桐蔭学園高等学校」 と、以前よりご縁がありまして、今年度も同校が実施している 「ジョブシャドウイング」 の一環として、生徒さん向けのICT教育を当社横浜オフィスにて、7月30日に実施しました。その様子をお届けします。
活動概要
同活動は、当社の総務部門が中心となり、学校と調整を行い、運営されています。今年度は、冒頭で紹介した内容に加え、会社紹介や オフィス見学、製品紹介&体験、グループディスカッションなどが行われました。
今回はこれらの活動の中から、キャリア教育とプログラミング教育の様子をお送りします。
キャリア教育
自身のこれまでの経験を元に、ITエンジニアがどんな仕事かについて、1日の業務の流れや、会社で取り組んだ事例をもとに紹介してきました。また、 コミュニケーション(対人間/対AI)の重要性 についても触れました。 ITエンジニアは技術的なスキルだけでなく、他のメンバーやAIとより効果的な協働を行うべく、論理的に物事を考えることが重要 であることを強調しました。エンジニアとして高い技術力を得るために、業務だけでなく、プライベートで自己研鑽としてもアプリ開発などに挑戦していることも紹介しました。
当社には強い探究心から、業務以外でも様々な技術に挑戦している人も多いので、一緒に働いていると、お互いに良い刺激になるので、ありがたいです。
プログラミング教育
今回は、 生成AIを活用したアプリ開発体験 を行ってもらいました。「講義」→「演習」という流れで進行しました。「講義」では、生成AIの概要に加え、当社の「ChatTX(企業向けAIサービス)」について紹介しました。続いて、 生成AIを活用して、実際にゼロからアプリ開発を体験してもらうべく、 「Flutter(Android/iOS等クロスプラットフォーム対応開発フレームワーク)」を使った「演習」に取り組んでもらいました。
演習内容:電卓アプリの開発
具体的には、「電卓アプリ」を作ってもらいました。生成AIを活用したコード生成でよくあることですが、細かな指示を含めず、単純なプロンプトを実行すると、生徒それぞれ、全く異なるアプリが出来上がりました。
見た目や振る舞いも様々です。 電卓アプリなのに、特定の計算結果が誤っている状況に遭遇したり、レイアウトが崩れてしまっている など、あえて、うまくいかないことも含めて体験してもらいました。これらをベースに、生徒それぞれの考えに応じて、電卓アプリの見た目や機能を改善してもらうなどの演習を行なってもらいました。
講師の皆さんから
本活動は、皆さんそれぞれの本業務と並行で、その合間に準備をしています。忙しい中、講師として一緒に参加してくれた社員のコメントを紹介します。
山本 昂輝(IOWNデジタルツインサービス事業部)
講義の一部を担当させていただきました。 普段の業務では、本研修の教材にもなったChatTX(企業向け生成AIサービス)の開発に携わっており、今回のような教育活動でもご活用いただけたことを大変嬉しく思っています。
参加された学生の皆さんが生成AIに興味を持ち、お互いの作品を見せ合いながら楽しそうにプログラミングに取り組む様子がとても印象的でした。 今回の体験を通じて、参加された皆さんが今後さらにITやプログラミングに興味を持つきっかけになれば幸いです。
渡邉 竜介(デジタルトランスフォーメーション事業部)
本活動では、研修環境の準備から、講義の一部、および演習時のフォローを担当しました。 私は普段から社内研修として、ChatTXを利用したiOSアプリ開発の講師も務めており、本業務はもちろん、日常的にも生成AIを活用する機会が増えています。
今回の活動を通じて印象的だったのは、参加された学生の皆さんも日常的に生成AIを利用しているという点です。私たちにとっても身近な存在となった生成AIですが、学生の皆さんにとっても同様であることに驚きました。自分が学生だった頃には想像もできなかった世界です。 演習中は、もともとプログラミング経験のある学生も見受けられましたが、皆さんが試行錯誤しながら黙々と課題に取り組む姿がとても印象的で、感心しました。 また、アンケート結果からは、「生成AIが必ずしも正しい回答をしてくれるわけではない」という点を学べたという意見が多く、演習の意図がしっかり伝わっていたことも嬉しく思いました。
今回の活動が、参加された皆さんにとって有意義な時間となっていれば幸いです。私自身もICT教育の現状を知ることができ、非常に貴重な体験となりました。
神原 健一(IOWNデジタルツインプラットフォーム事業部)
プログラミングに関する統括として、実施内容の企画や総務部門との窓口、講師募集や取りまとめ、講義ではFlutterの解説や一部の演習を担当しました。これまでのプログラミング教育の実績から、 学生たちのプログラミング経験には幅があると予測されたことから、未経験でも取り組めるような内容をベースとしつつ、オプション課題などを設けることで、プログラミング経験者でも興味を持って取り組んでもらえる内容 にしました。
また、今後の同様の活動に向け、講師側の体制を強化していくべく、社内で関連分野の知見がある新規メンバへの声かけを行いました。その結果、デジタル革新部の山下 城司さんが参画してくれることになりました。結果的には、やむを得ない事情で今回は参加できずとなったのですが、代わりに、コンテンツ作成の面で協力していただけました。一つの機会と捉えて、演習TAを担当いただく予定だった皆さんに、講師を担当いただけないかの追加募集を行いました。
その中から、講師の経験を持つ渡邉さんが立候補してくれ、担当予定だった講師へのヒアリングなどを効果的にキャッチアップしてくれ、実際に講義の一部を担当してくれました。こういった活動は、メンバそれぞれに、その時々で業務の忙しさの状況も変わるため、引き続き、 柔軟に体制を組めるようにすべく、社内で対応できる仲間を増やしていきたい と考えています。
演習TA(講師補助)の皆さんから
演習を行なっていると、小さなものから大きなものまで、実に様々なトラブルが発生します。そういったときに、頼りになるのがTA(Teaching Assistant)の皆さんです。サポートとして参加してもらった社員のコメントを紹介します。
高橋 悦子(IOWNデジタルツインプラットフォーム事業部)
研修環境準備・演習時のフォローを担当しました。 教室の様子を眺めて声掛けを行いましたが、桐蔭学園の皆さんは理解度が高く、 演習課題をクリアしたうえで「このように行いたい」という部分での疑問が多かった印象です。
端末アプリの開発経験を生かして質問文の改善フォローを行い、 うまくいったときは自分も嬉しく思いました。 また学生と一緒に質問を繰り返す中で自分も得られることがあり、参加して良かったと感じました。
三池 真紀(フューチャーネットワーク事業部)
研修環境準備・演習時のフォローを担当しました。 同じ内容で生成AIに質問しても、1人1人違うコードが生成され、表示される電卓の違いに生徒のみなさんが驚い、戸惑っているのが印象的でした。 質問を繰り返し、思い通りにいく人と、なかなか思い通りにいなない人とそれぞれでしたが、夏休みの良い思い出になってくれるといいなと思います。 私も、良い経験となりました。
総務部門の皆さんから
総務部門の皆さんは、学校との調整や窓口に加え、プログラミング演習に必要な機材(PCほか)の準備も一緒にお手伝いしてくださいました。プログラミング体験をしてもらうには、コンテンツ面だけでなく、実は、機材の準備(PCの手配、会場への設置など)がそれなりに大変だったりするので、このようなフォローには、いつも感謝です。ありがとうございます。関わった総務の皆さんのコメントを紹介します。
吉岡 里奈/五十嵐 千紘(総務部)
本活動におきましては、全体の企画や運営、各プログラムの調整等を担当させていただきました。当社では、社会貢献活動の一環として、学生の職場体験の受け入れを実施しております。 このプログラムでは、学生の皆様に対して会社紹介や見学、製品紹介を行い、特にIT業界に関心のある学生の皆様にはプログラミング体験を通じて、将来の職業や働き方について考える機会を提供しております。
また、活動の最後には体験に関するアンケートを実施し、学生の皆様からの貴重な感想をいただきました。 感想の中には、「体験を通じて、生き生きと働いている社員を見て、IT業界に対する硬いイメージが変わった」 「将来、このような会社で働いてみたいと感じた」 「後輩にもNTTテクノクロスの良さを知ってほしいと思った」 「会社の雰囲気やコンセプトが知れてよかった」といったコメントが寄せられました。
今後の職業選択の場面において、「働くこと」や「会社とは何か」という視点を活用していただけたら大変嬉しく思います。 その中で、ぜひ「NTTテクノクロス」という会社も思い出していただければ幸いです。 プログラム中でも、学生の皆様から多くの質問をいただき、当社に対する興味を持っていただけたことを実感し、開催できてよかったと感じました。
最後に
授業の後に、総務部門の進行で、学生たちとの振り返りの時間が設けられました。当社での体験の後に学生たちから「ITエンジニアの仕事に興味を持った」「社員が活き活きと働いていていいなと思った」など前向きな感想をいただけたのが、我々にとっての大きな喜びでした。
当社ではこのような活動に不定期で取り組んでいます。今後も不定期でその様子をお伝えする予定です。楽しみにしていただけるとうれしいです。それでは。

サステナビリティ活動として、プログラミング教育・キャリア教育を担当しています。