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エンジニアが本気で⼩学⽣向けプログラミング教育をやってみた

NTTテクノクロスに在籍するエンジニアがおくる「⼩学⽣向けプログラミング教育」のブログです。

1. はじめに

こんにちは。NTTテクノクロス デジタルツイン事業部の神長 貴博(ジンチョウ タカヒロ)、神原 健一(カンバラ ケンイチ)、戸部 雄太郎(トベ ユウタロウ)です。 今回のブログでは、2022/10/28-29に開催された第48回 全日本教育工学研究協議会 全国大会 愛知・春日井大会に参加( 弊社として実に2年ぶりの参加 )し、登壇した話を中心に大会の様子をお伝えします。

2. 全日本教育工学研究協議会 全国大会とは

日本教育工学協会が主催し、 40の地域研究団体、4000人の学校教員、100名の教育工学研究者、賛助企業によって開催される学校教育にかかわる教員研究者・企業の教育工学研究を通して得た成果を共有することで、教育の向上を目的とした大会です。

私は、2018年 川崎大会(第44回 全日本教育工学研究協議会 全国大会)から参加・登壇を行ってます。過去の大会や登壇内容は、以下のリンク先を参照してください。

第44回 全日本教育工学研究協議会 全国大会 川崎大会

第45回 全日本教育工学研究協議会 全国大会 島根大会

第46回 全日本教育工学研究協議会 全国大会 鹿児島大会

3. 愛知・春日井大会の様子

3-1. 大会日程と概要

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愛知・春日井大会は上記日程で開催され、初日は基調講演、パネルディスカッション等が行われました。

基調講演では『教育現場におけるICT活用の全体的な状況や日常的にICTを活用する重要性』を東北大学大学院 情報科学研究科の堀田 龍也教授が小学校での具体例を交えた話を聞くことができました。特に、自分が感じたことをアウトプットすることができる思考のスピード、タイピングスキル(PC、タブレット等のデバイスの基本操作)、学年が低いほど実物投影機等を活用しながら教えることが重要と話されていたことが印象的でした。

  • ・小学1年生の社会:Google Jamboardを使った写真からの情報取り出し
  • ・小学3年生の社会:作成したドキュメントをクラウド上で情報共有・可視化
  • ・小学5年生の理科:実験時の動画から実験時に気づかなかった気づきを得る(情報の取り出し)

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パネルディスカッションは、愛知県内の公開校でのICT実践状況の共有でした。中でもPCを利用して情報の整理をフィッシュボーン図に落とし込み(スライドにまとめる)、算数の授業等では面積やグラフの解釈の仕方といった個人の考え方を他人にシェアすることを行なっている話に驚かされました。PCを効率的に活用することに加え、効果的な活用を行なっていると感じました。

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2日目は、弊社も登壇を行なった研究発表(セッション)が中心に実施されました。詳しくは以降のセクションで取り上げてます。

3-2. 研究発表

弊社は 「身近なプログラミングの役割と原理の理解促進に向けた教育の検討と実践」 のタイトルで登壇を行い、2021/6-2022/1の間、川崎市立上丸子小学校のプログラミングクラブで行なった活動(機械学習・Android アプリプログラミング)で得た以下項目を発表しました。

  • ・児童が社会の中におけるプログラミングの存在と役割に気付き,その原理を理解できるようになるコツ
  • ・プログラミング教育の難易度上をスムーズに行うことができるコツ
  • ・活動の過程で発見した課題

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発表自体はスムーズに行うことができたのですが、体制リニューアル後の初陣ということもあり、発表に対して「小学校プログラミング教育の手引き」にある考え方を踏まえた『先生が知りたいこと』を十分に捉えきれていないと言った指摘を受ける場面もありました。

ただ、他校で取り入れていない技術・分野を積極的に取り入れた・開拓したことで、登壇後は弊社の活動に興味を持って頂き、今後の活動が広がる話や新たな繋がりを作ることができました。詳細は、追々このブログを通じて発表ができればと考えてます。

弊社以外の研究発表に印象に残ったものが幾つもありました。1つ例を挙げると、事例紹介の中に特別支援教育の一環として、VR/ARやスマートスピーカーを活用されたものがありました。当然ながら、新しいデバイスを使いたいという理由では全くなく、現場の課題解決につながるであろう、その必然として現場に適用されていました。先生方が実際にやってみると、これらデバイス自体の機能面の制約や、期待した通りに使えない状況に遭遇することが幾度となくあったそうです。それでも工夫を重ね、果敢に挑戦されていました。先生方のさまざまな挑戦に胸が熱くなったと同時に、自分たちも手段ではなく目的を大切に取り組んでいこうと思いました。

戸部からは聴講した発表の中で使われていたツールについて紹介します。

  • ピクトッチ
    • ・ピクトグラムを作りながらプログラミングを学べるビジュアルプログラミングツール。
    • ・プログラミング教育が進んでいなかった状況でどう対応するかというところで、オリンピックなどでも流行ったピクトグラムに目をつけ、このツールを利用。
    • ・学校をより良くするためのポスターを考えようというテーマでグループごとにピクトグラムを作成。
    • ・児童の独創性が強く、神社のピクトグラムなど複雑なものを作る子もいたようです。
    • ・最初はフラットにプログラミングをしていても、デフォルトのままではよくない、ということに気づき繰り返しを駆使する。
    • ・だんだんとモジュール化が進み、プログラムがすっきりしたり、一つの線画の単位が変わってくるような傾向も見られたようです。

  • K3Tunnel
    • ・データサイエンスについての学ぶことができるビジュアルプログラミングツール。ヒストグラムや度数分布などを簡単に作ることができるとのこと。
    • ・算数で表やグラフは読めるようになるが、データの特徴や傾向までは分析できるようにはなっていない。
    • ・データをもとに考えを深め、学びを活かす児童を目指すため、このツールと、統計的な問題解決の探求プロセスとしてPPDACサイクルを取り込んだ授業を実施した。
    • ・身近なところから課題意識を掘り起こし、調査・測定・分析・結果をまとめるという一連の流れを実施。
      • →例えば、睡眠時間の長い人は集中力が持続する、などといったテーマ。測定方法なども児童が自主的に検討。
      • →測定が難しい話もあるので、その辺りは対話しながらテーマを設定したとのこと。

    • ・ただし、調査結果が用意できた=データの裏付けができたと捉える人がおり、その妥当性の見直しも必要であるという指導もあったとのこと。

4. 最後に

ブログを読んで頂き、ありがとう御座いました。次回も楽しみにして頂ければと思います。それでは。

著者プロフィール
神長 貴博(ジンチョウ タカヒロ)
神長 貴博(ジンチョウ タカヒロ)

IoTイノベーション事業部 第1ビジネスユニット所属

iOS・Androidアプリの開発をしてます。趣味は「ランニング(横浜マラソン、川崎国際多摩川マラソン等の大会に出場してます)」と「食べ歩き」です。