工場IoTとBIツールを活用し、予知保全する方法とは?(Yellowfin)
今回はBI活用コラムの第5弾として、振動センサーとBIツールYellowfinを用いて工場の稼働状況を監視し、予知保全する方法についてご紹介します。
BI(ビジネスインテリジェンス)活用コラム
- 2019年06月20日公開
こんにちは。Yellowfin担当です。近年、製造業界で工場の維持管理コストの低減や、生産性の向上が重要な課題になっており、産業用IoT(IIoT:Industrial Internet of Things)導入への関心が高まっています。
IoTのビッグデータを「見える化」するためには、BIツールの活用が欠かせません。今回は、振動センサーとBIツールYellowfinを用いて工場の稼働状況を監視し、予知保全する方法についてご紹介します。
振動センサーとBIツールの活用で、設備異常を早期発見
当社が携わっているシステムの一つに「ラムダバイブロ分析システム」というものがあります。工場の設備に振動センサーを取り付けて振動を測定し、BIツールであるYellowfinで振動のパターンを可視化することで、設備の異常を早期に発見できるというものです。設備異常の早期発見により、復旧にかかるコストを抑え、生産性を向上できるというメリットがあります。
工場IoTにより、簡単に異常を検知する仕組みは、次のような3ステップで構築できます。
1.センサーを用いてデータを収集・解析
2.集計用データベースに格納
3.Yellowfinで可視化
センサーで収集したデータを使い、工場の稼働状態を可視化
Yellowfinを使えば、センサーで収集・解析したデータを、折れ線グラフなどで簡単に可視化できます。下記のグラフでは、設備別に5分ごとの実効値の傾向を表しました。また、注意値は黄色、危険値は赤色で基準線を描画しています。このようにして指標値を設定することで、グラフを作成してデータを可視化するだけではなく、システム側で正常または異常等の簡単な判断ができるようになります。
次に、「ラスターマップ」という機能を用いて設備の状態を可視化します。
この機能では工場の見取り図やフロアマップ等を画像として取り込み、レポートの一部として利用することが可能です。
こちらの例では、振動データの指標値ごとにフラグを設定しておき、設備の稼働状態が正常なら緑色、注意なら黄色、危険なら赤色として工場の見取り図上に設備停止の予兆を表示させています。
ここで、先ほど紹介した折れ線グラフと工場見取り図のラスターマップを組み合わせてみます。
ラスターマップでは振動データの指標ごとにフラグを立てました。折れ線グラフで用意した注意値、危険値の指標をラスターマップでも同様にフラグとして設定しておけば2つのレポートが関係性を持つようになります。加えて、「ドリルスルー」という機能を用いて、ラスターマップの稼働状態をクリックすると折れ線グラフが表示されるようにしてみました。このように設定しておけば、ワンクリックで故障などの予兆発生に気づくことができます。
工場の稼働に異常が発生したら、管理者に通知します
ここまでの説明で、工場の異常を監視し、予知保全することができるようになりました。
しかし、このままだとアラートが上がってくるまで誰かが常にレポートを監視している必要があります。
そこで、異常が発生した場合に、レポートを確認してほしい人に対して通知が送られる仕組みを設定していきましょう。
Yellowfinの「ブロードキャスト」機能を用いることで、条件にマッチする値が検出された時に、特定の人物へメールを送信することができます。レポートをPDFやExcel形式に出力し、メールに添付するという設定も可能です。
このように、Yellowfinを使えば、工場IoTのビッグデータを分析し、工場設備の異常を監視して管理者に通知する設定を簡単に行うことができます。工場改革、生産性向上、設備故障の早期発見といった課題をお持ちであれば、BIツールYellowfinを使った工場の予知保全に着手されてはいかがでしょうか。
▼工場IoTソリューション「ラムダバイブロ分析システム」について詳しくはこちら
/whatsnew/2017/171130.html
▼六花亭製菓の製造ラインでの「ラムダバイブロ分析システム」実証実験実施について詳しくはこちら(PDF)
https://www.imv.co.jp/company/news/file/20181017.pdf
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NTTテクノクロス株式会社
ビジネスソリューション事業部