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和田卓人さんをお招きして社内講演をやって頂きました!

和田卓人さんをお招きした社内講演会のレポートです。

はじめまして、NTTテクノクロスの山本です。普段はテックリードという立場で、社内の現場で様々な技術支援をしています。

現在、NTTテクノクロスでは新規ソリューションのビジネスを拡大するために、内製でソリューションを開発し、スピーディーにサービス化できる人材の育成を進めています。その人材育成の一環として、今回の外部エキスパートによる社内講演会を企画しました。

この社内講演会の第1弾として、テスト駆動開発 (TDD)の第一人者である和田卓人(@t_wada)さんをお招きして、オンラインで講演会を実施しました。私が知る限り社内勉強会としては過去最大の300名近い社員が参加した、その講演会の様子をお伝えしたいと思います!

講演会の様子

講演会の様子を、当社グラフィックレコーディング(グラレコ)チーム『TXフェニックス』にまとめていただきました。全体の内容をてっとり早く把握されたい方は、こちらをご覧ください。

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それでは、和田さんの講演資料をベースにもう少し詳細に内容をレポートしていきます。

ソフトウェア開発の現場ではよく品質に犠牲にしがち

和田さんの講演は、アジャイルサムライの書籍で紹介されている荒ぶる四天王の話から始まりました。

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「リリースを目指しているけど期間までに全部はできそうにない」これはソフトウェア開発でよくあるシチュエーションです。この時に「スコープを削る」「もっと人を増やす」「リリース日を延期する」「品質を犠牲にする」という選択肢があった時に、開発現場では「品質を犠牲にする」という選択肢を選びがちです。つまり品質を犠牲にしてリリースに間に合わせようとする。

では、品質を犠牲にすればスピードが本当に得られるのでしょうか?

  • 短期的には得られる
  • 中期的には逆効果になる
  • 長期的には致命傷になる

と和田さんは言います。

犠牲にしている品質とは何なのか?

品質には、品質副特性や、狩野モデルなど、いくつかの切り口がありますが、その一つに「外部品質」と「内部品質」という切り口があります。この切り口で見たときに、多くの現場で犠牲にしているのは「内部品質」だと言います。

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内部品質を犠牲にしてしまうのは、なぜなのか?これは外部品質と比べて、内部品質の調整コストが低いためです。

外部品質を犠牲にすることは、魅力的な機能やスコープを削るということを意味しており、様々なステークホルダーとの調整が必要になります。一方、内部品質を犠牲にすると、痛みを伴うのは開発チーム自身です。そのため 「内部品質を犠牲にしてリリースに間に合うのであれば、自分たちを犠牲にしよう」 と判断しがちだからです。

また、この犠牲にしている内部品質は保守性(テスト容易性、理解容易性、変更容易性)だと説明しました。

保守性とスピードはトレードオフではない

保守性を犠牲にすれば短期的にはスピードを得ることができます。しかし、中期的には逆効果になり、長期的には致命傷になります。では、スピードを落とせば保守性が手に入るのでしょうか?これはNOだと言います。

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実際には、技術力が高い人は急いで作ったとしても一定以上の品質のコードを書くが、技術力が低い人は、時間をかけても低い品質のコードしか書けない。つまり、スピードと保守性はトレードオフではありません。

技術力が高い人は、コードを扱いやすいように保守性に特に注意を払っています。コードの品質を高く保っていた 「にも関わらず」 速いのではなく、コードの品質を高く保っていた「からこそ」速いのだと述べました。

質とスピードの本当の関係

品質とスピードの本当の関係は、内部品質がスピードを生み 、スピードが学びのループを生み 、学びのループが外部品質を生む、これが本当の関係とのことです。

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では、品質とスピードについてのトレードオフが意識されるとき、実際には何と何が秤にかけられているのか。

それは各個人ではなくプロダクト全体の品質と速度が秤にかけられているのではないか。言い換えれば、プロダクトの品質を支えるために必要なメンバーの成長と、その成長のために必要なフィードバックや学習の時間が秤にかけられているのではないか。というお話で講演を締めくくりました。

Q&Aセッション

Q&Aセッションでは、社員から様々な質問が飛び出し、活発な議論で盛り上がりました!

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おわりに

講演後には「テクノクロスに勤めていて良かった」「技術を大事にしている会社というのが実感できて嬉しくなる」などの声も寄せられ、今回の講演会を企画して本当によかったと実感しました。

和田さん、本当にありがとうございました!

また、NTTテクノクロスでは、内製でソリューションを開発し、スピーディーにサービス化できる人材を育てるために、今後も様々な施策を実施していく予定です。外部エキスパートによる社内講演会も継続して実施していく予定ですので、次回のレポートもお楽しみに!

ではでは、このへんで。

連載シリーズ
テクノロジーコラム
著者プロフィール
山本 和樹
山本 和樹

テックリードという立場で、社内の現場で様々な技術支援をしています。開発現場に直接入り込んで、モダンな開発手法を普及展開しつつ、技術的な側面からビジネスを支える活動をしています。

最近コーヒー豆の焙煎をはじめました。家が煙と臭いでやばいです。