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エンジニアが本気で学⽣向けプログラミング教育をやってみた

NTTテクノクロスに在籍するエンジニアがおくる「⼩学⽣向けプログラミング教育」のブログです。

はじめに

こんにちは。NTTテクノクロス IOWNデジタルツインプラットフォーム事業部の神長 貴博(ジンチョウ タカヒロ)です。 今回のブログでは、今年度から始めた新しい取り組み『都立高校に通う学生向けプログラミング教育』の様子をお伝えします。

都立高校との出会い

今年度よりプログラミング教育を行う都立高校との出会いは、何と!このブログでした。 このブログをみた都立高校の先生が、弊社に問い合わせを行って頂いたことからプロジェクトが始動し、どの時期からどうやってプログラミング教育を行うか?と1年間協議・検討を重ねた結果、今年度の6月から開始の運びになりました。そして、6/8 都立高校に赴き「講演」と「第1回の授業」を行いました。

講演

講演では、プログラミング教育の講師陣(弊社社員 5名)が社会人になってから遭遇した「困り事」と「それをどうやって解決したか」を話しました。 講演後は、生徒だけでなく先生からも質問を頂き、非常に有意義な時間を過ごすことができました。ここでは、登壇した社員一人一人のコメントを掲載します。

発表前.png

神原

私は、以下内容で講演を行いました。

  • NTTテクノクロスの仕事(例)/自分が取り組んでいる仕事
  • 自分がn年前に思い描いた夢
  • 当時の自分の困りごと
  • 経験した挫折と乗り越え方(例)

自分は社会人になりIT業界で働き始めた頃、「いつか世界で活躍する技術者になる」という夢を思い描いていました。ただ、当時の自分は、世界を目指す以前に、スキル面でも未熟で多くの課題がありました(技術力、英語力、経験、その他多数...)。それでも夢に向けて前に進むべく、大きな目標をブレイクダウン(STEP1:実現したい目標の具体化→STEP2:マイルストンの策定→STEP3:PDCAの無限ループ)を行い取り組んできました。ただ、実際は人生そんなに上手くいくものではなく、12年前には人生初の海外講演ではうまくいったことはあった一方、それ以上に反省もたくさんありました(発表後の質疑応答や懇親会で英語を話す難しさ、英語ならではの表現など)。この例のように自身の失敗をバネに、英語力を高めるべく、仕事だけでなくプライベートでも世界を旅したエピソードなど交えて、「(時には勇気を振り絞ることで)きっかけは自分で作ることができ、挑戦した分だけ少しずつ世界は広がった」というお話をさせていただきました。

講演後、学生から普段、英語を勉強していても長続きしなくて悩んでいるという質問がありました。英語力を高めることで広がる世界があること、無理はせずに少しずつでも継続していくことが大切だったことを答えたところ、前向きな気持ちになってくれたような表情を見ることができ、このような場でお話しすることができ本当によかったと感じました。これからも同様の機会を作っていければと考えています。

戸部

私は、以下のテーマで講演を行いました。

生成AIが変えるソフトウェア開発ごとの困りごと解決

私のパートでは顧客ではなく、自分の困りごとを生成AIを使って解決したという想定で説明を進めました。 最初に、今が旬の生成AI。最初に知っている?とか、使ったことがある?という質問を投げかけて、少なからずの生徒の皆さんが手をあげていました。

そのようなテーマで、以下の内容を説明しました。

  • 生成AIのイメージと現実
  • 実際に自分の仕事で生成AIを活用して困り事を解決した例
  • 生成AIと未来の働き方について
  • 生徒の皆さんへのメッセージ

最後のメッセージでは、生徒の皆さんに普段の授業で学ぶことが、生成AIの出力する回答を正しいか判断することにつながること、そして生成AIとコミュニケーションするための能力を培うことが必要であるという2点を伝えました。

その後、プログラミング教育の前後でも生徒から積極的な質問もあり、その真剣さにこちらが驚かされたところです。

講堂で話すという機会も今までなかったので、貴重な経験となりました。

高橋

私は、以下内容で講演を行いました。

  • 経歴
  • 困りごと(開発チームのコミュニケーション)
  • データ取得とフィードバック
  • その後の変化

業務ではよくチームに分かれて作業を行いますが、連携が必要なチーム間の情報共有や改善について学生の皆様に以下内容を伝えました。

  • 進捗管理は何のために行うか:報告のためではなく自分たちの現状を知るため
  • データ取得は何のために行うか:定量的に集計することにより起きていることの見える化を行う
  • フィードバックは何のために行うか:自チームの改善だけではなく上流チームの品質向上により自チームも楽になる
  • 「先入観」は当てにならないことがあるということ

特に定量的なデータによるフィードバックにより状況が改善されたという点に重点を置きました。

学生の方からは「管理することの難しさ」について質問を受けました。

学生の方向けでしたので、管理そのものではなく「自分は開発向きだと思って入社したが、管理関係はやってみて楽しいと感じた。自分が"向いている""向いていない"ということは、やってみてわかることもある。色々経験してみると、新たな自分が見つかることもあるので、学生のうちに試してみるのはお勧めです」とお伝えしました。

また、授業ではそれぞれの楽しみ方があるということがお伝えできてよかったと思います。(やりたいことを追求していく方、絵を動かすことに興味を示す方、色々いらっしゃいました)

渡辺

私の業務経歴

プログラマから出発し、SEを経て今は営業。途中留学休職をして大学院で学んだこと。 会社の本業の仕事以外に、テレワークを検討したりAI法務のプロジェクトに参加したり、そして今、晴海総合高校プロジェクトに参加していることをお話しました。 プライベートでは働きながら子どもを二人産んで育ててきたこと、夫は高校の同級生であることも話しました。 仕事を通じていいこともたくさん経験しましたが、自信を失い辞めたいと思ったことは一度や二度ではなかったことも話しました。

お客様のお困りごと解決について

営業という仕事は、お客様の課題をIT技術を使って解決するために、開発者と一丸となって提案をすることだと話しました。

高校生の皆さんにこれから大切にしてほしいと思っていること

  • 仲間を大切にすること(仕事は一人で完結できないので協力し合うことが大事)
  • 継続は力なり(苦労したことも後で糧になる。経験値が上がると凹んだときの立ち直りも早くなる。)

会場で感じたこと真面目に話を聞いてくれてありがとうございました。これから未来の選択肢がたくさんある高校生の皆さんがキラキラと輝いていているように見えました。 これからいろいろなことにチャレンジして素敵な人生を生きて行ってほしいと心から思いました。

神長

私は、以下内容で講演を行いました。

  • 経歴
  • 社会人になってから一番の失敗(困り事)
  • 失敗の解決方法
  • 失敗から学んだ事

失敗内容は読者の皆さまのご想像にお任せしますが、失敗から学んだことして学生の皆さまに以下内容を伝えました。

  • 『焦って・慌てて』物事を進めようとすると個々の行動が雑になり、結果的により多くの時間がかかる可能性が高い。
  • 『焦る・慌てる』時にこそ、行動を止めて思考を整理する癖をつける。
  • 精神的に落ち着いた状況で作業を行う。
  • 後で問題が起きた時はより多くの人に迷惑をかけることを理解する。
  • チームで作業中に自担当箇所で悩みが生じた場合、周りにいる人達に相談を行う。
  • 『知らないこと・分からないこと』は『知りません・分かりません。教えてください』ということが大切。

仕事をしていないとわかり辛い部分も多々あると思いますが、少しでも学生の心に残ればという思いで話をして、壇上から真剣な眼差しで話を聞いてくださっている学生の皆さまが印象的でした。

授業

授業では、プログラミング教育で使用するMIT App Inventor2 日本語化プロジェクトについて、講義と演習を交えた授業を行いました。 どの生徒も積極的に演習に取り組み、多くの質問も頂き、あっという間でした。 また、授業後も講師陣に積極的にコミュニケーションを取る・質問をする生徒も現れ、プロジェクトの良いスタートが切れたと感じることができました。

授業.png

最後に

最後までブログを読んで頂き、ありがとう御座いました。次回も楽しみにして頂ければと思います。それでは。

著者プロフィール
神長 貴博(ジンチョウ タカヒロ)
神長 貴博(ジンチョウ タカヒロ)

モバイルアプリの開発をしてます。趣味は「フェス・ライブ」、「ランニング」、「食べ歩き」です。