情報畑でつかまえてロゴ
本サイトは NTTテクノクロスが旬の IT をキーワードに
IT 部門が今知っておきたい最新テクノロジーに関する情報をお届けするサイトです

エンジニアが本気で⼩学⽣向けプログラミング教育をやってみた

NTTテクノクロスに在籍するエンジニアがおくる「⼩学⽣向けプログラミング教育」のブログです。

はじめに

こんにちは。NTTテクノクロス IOWNデジタルツイン事業部の神長 貴博(ジンチョウ タカヒロ)です。

今回のブログでは『2023年度の川崎市立上丸子小学校 プログラミングクラブ・お絵描きクラブ』の近況をお伝えします。 生徒達が楽しそうにプログラミングやアニメーション制作を行なっている雰囲気が読者の方に伝わればと思い、ブログを執筆しました。

プログラミングクラブ

7月までで当社のメンバーが参加した内容について紹介します。

  • 5/16 オリエンテーション、今後の予定などの説明、チーム分けなど
  • 6/13 App Inventorを使ってアプリの画面を作る
  • 6/27 App Inventorのブロック機能を使ってみる
  • 7/18 App Inventorでスマホの機能(音声認識)を使ったアプリを作る

昨年度から引き続きの生徒は少なく、フレッシュな気持ちでのクラブ活動開始となりました。 今年は新しくチームでアプリを作るという要素を取り入れようとしており、その初回ということでチーム分けおよびチーム名を決めることから始めました。 それぞれ好きな映画やゲーム会社をもじったものをつけたり、独自性が出ていたのが印象的でした。

また、初回はクラブ長を決める会で、多くの児童が積極的に立候補していた、という点も大人とは違うものだと思って様子を見ていました。

programing1.png

戸部

初回の様子については冒頭に記載した通りです 昨年度までは私たちが用意したコンテンツを手順にそってそのまま実施するという形を取りましたが、 今年度はそこに協働と、各自の独自性を持たせることを中心においた活動とする方針としました。

初回のチームビルディングについてはそのような意味で大成功。 2回目以降はまずはApp Inventorに慣れてもらうことを軸におきました。 画面を作ることを一つをとっても、各々の独自性が入り込んだものになりました。

例えば、特に説明していなかったのですが、「赤い色のボタン」を押すと爆発するメッセージを出す様なアプリにするなど、 色が持つ印象をそのままアプリに落とし込むという、大人でも考えないとなかなか出てこない発想を自然と形にできる児童もいました。

夏休み明け、9月からは、それぞれのチームでアプリを作る、という取り組みを進めていきます。 先に書いた様な独自の発想がこの後の回でも発揮できると思うと、今から楽しみです。

programing2.png

神長

第1回(5/16)のプログラミングクラブに参加しました。この日はプログラミングを行わず、クラブ長や副クラブ長を決めたり、アプリを開発する時のチーム分けを行いました。色々とお手伝いをさせて頂く中で、クラブ長、副クラブ長に立候補した生徒達に限らず、とにかく全員が楽しいクラブ活動にしようという思いを持ち、それを言葉に出す姿勢に大いに刺激を受けました。参加できてとても良かったです。

渡邊

本年度から始めてプログラミングクラブに参加しました。

普段の生活の中では小学生と触れ合う機会がなかったので、皆さんがプログラミングに対してどのような印象を抱いているのかを楽しみにして参加すると、多くの生徒が積極的な姿勢を見せていて、前に出ることや新しいことに挑戦する心意気を見習いたいなと感じました。

今後も継続的に参加し、学びのお手伝いが出来たらと思います。

石上

第1回、第2回のプログラミングクラブに参加しました。

第1回では、異学年で結成されたチームに初めて集合したということで少し緊張感が見られましたが、第2回では、自然に助け合い協力する光景が見られました。

MIT App Inventor2を使用したアプリ作成は、今回が初めての生徒が多かったと思いますが、全ての生徒がアプリを完成できたことが、とても良かったと感じます。中には、ボタンの配色を設定している生徒もいましたが、その配色(決定ボタン、キャンセルボタンの配色など)が素晴らしく、感心しました。

湯浅

初めて、プログラミング教室に参加しました。 あるお子様は「画像を取り込みたい」っと試行錯誤しつつ、できているお友達に教わって、自分たちで解決してました。 大人は、子供の意欲をかって認めて、他の人につなげただけ。子供たちって、賢く、楽しいです。またぜひ参加します!

神原

チューターとして参加しました。生徒の演習のサポートを行ったのですが、色々な特徴の生徒さんがいました。講師が演習の進捗状況を全員に呼びかけて確認した際、終わっていない場合、自分から積極的に助けを求める生徒さんもいれば、そうでない生徒さんもいました。これも個性なのかなと感じました。例えば、演習をできていないと申告はなかったものの、できていなそうに見える生徒さんに話しかけたところ、実は前回のクラブ活動を欠席してしまってどうやればいいか分からないということがありました。その一方、自分の頭で考えることも大事なことの1つなので、その時々の状況によりますが、様子を見ながら対応していこうと考えています。

お絵描きクラブ

川崎市立上丸子小学校のお絵描きクラブでは、ペイントソフトや紙を使って、生徒1人1人がクラブの時間内で自由にイラストを描くクラブです。

クラブの雰囲気を先生に聞いた時、所属する生徒達は 『各々自分の世界に没入して黙々と絵を描くことが好き』 と言っていたのが非常に印象的でした。同時に、没入して絵を描くこと自体は素晴らしいことだけど、折角の良い絵を生徒同士で共有する仕組みが無いのは勿体無いと感じました。

そして、お絵描きクラブを担当することになった今年度、自分の世界に没入しつつも上級生・下級生・先生・NTT-TXが絵を通して、楽しめる関係を築くことと考え、 「つながり」 という活動テーマを考えました。

illustration.png

それらを実現させる為、以下の提案を行いました。

  • Animated DrawingsScratchを利用して、ペイントソフト or 紙に描いた絵からアニメーションを制作する
  • ペイントソフトの使い方を知っている生徒が使い方を知らない生徒に教える機会を設ける
  • 下級生のクラブ見学のタイミングで制作したアニメーションの上映会を行う

6/13 初回のお絵描きクラブでは、Animated Drawingsを使って、アニメーション制作を行いました。 やる前は非常に心配でしたが 『ペイントソフト or 紙に描いた絵が簡単操作で色々な動きをする』 は生徒達にバッチリ刺さりました。大人の感性では描くことのできない個性的なキャラクター達に出会え、暫し仕事を忘れて生徒と一緒になってはしゃいでしまいました。

output.gif

また、この日はクラブをより楽しんでもらう仕掛けとして、9月以降に行うScratchを利用したアニメーション制作の概要とデモンストレーションを行いました。生徒達の反応から、この企画も非常に盛り上がることを確信しました。制作風景や上映会の様子は、今後のブログで紹介していきますので、楽しみにしていてください。

output2.gif

神長

昨年、プログラミングクラブのスピンオフ企画(イベント)として実施した「アニメーション制作」が、今年度はクラブ活動になりました。 単発のイベントでない為、テーマを設け、Scratch以外のサービス・ツールも生徒達の成長具合を見つつ投入していけたらと思ってます。

また、参加メンバーに渡邊が加わったことで生徒達に今まで以上に色々な体験を提供できる、新しいことにどんどんチャレンジできる体制になりました。 活動過程で得たノウハウや知見は、6月度のブログで紹介した「みんなではじめる 小中学生のためのITエンジニア体験教育」の様に本にまとめ、様々な方に共有、手にとってもらえる形にしようと考えてます。

渡邊

お絵描きクラブに「アニメーションの制作」を取り入れるということで、生徒たちが「やりたい!」と興味を持ってもらえるように事前にデモアプリの作成を行いました。

デモの作成にあたり、先生方との打ち合わせでお絵描きクラブの生徒たちがイラストを描くことが大好きで黙々と作業をしているというお話を伺っていたので、自分のイラストがソフトを使うことでさらに魅力的なものに出来ることを伝えようと思いました。

今回作成したものは、ペイントソフトで書いた4枚のイラストをScratch上でアニメーション化し、それに合う効果音や背景、エフェクトを加えるというデモになります。

海の生き物なら背景に「海中」、重ねるエフェクトは「泡」のようなイメージです。 可愛いイラストを描くことが好きな子たちが多い印象だったので、ハートやキラキラなどを付けることも出来ると説明すると、 やってみたいという声も聴けたので安心しました。 今回はイラストを動かすという体験をしてもらいましたが、終了時間になっても黙々と楽しそうに作業をしていてよかったなと思いました。

また、期待される動きをしなかったときにすぐに問題を把握し修正する対応力に驚かされました。今後の活動もとても楽しみです。

最後に

最後までブログを読んで頂き、ありがとう御座いました。

次回は『東京都立晴海高等学校 プログラミング教育』を予定してます。

次回も楽しみにして頂ければと思います。それでは。

著者プロフィール
神長 貴博(ジンチョウ タカヒロ)
神長 貴博(ジンチョウ タカヒロ)

iOS・Androidアプリの開発をしてます。趣味は「ランニング(横浜マラソン、川崎国際多摩川マラソン等の大会に出場してます)」と「食べ歩き」です。