岡山ガス株式会社 様

現場から点検報告、複数部門でデジタル化推進

点検に関する写真を撮影し、報告書に添付して送信できる

デジタル技術の活用による業務改善は、ガス事業者にとっても重要課題の一つだ。
岡山ガスは昨年3月、NTTテクノクロスのフィールド業務改革ソリューション「わくレポ!」の活用を一部の部署から開始した。これにより作業現場からの業務報告や帳票管理などをスマートフォンやタブレットで行えるようになった。
現場作業の負荷を軽減し、業務効率化を実現。今後、わくレポ!を活用する部署を広げ、さらなる業務改善を図る方針だ

わくレポ!を採用したのは、岡山ガスの供給部(約40ユーザー)と、営業設備部営業設備グループ(約20ユーザー)。供給部はガバナーなどのガス工作物の点検やメンテナンス、緊急対応時のガス管修繕などを行い、営業設備部は内管工事の施工管理などを行っている。

こうしたフィールド(現場)業務の担当者は従来、点検チェックシートや検査票など紙の帳票を現場に持参してデータを記入、作業後に事務所に戻ってから帳票内容をパソコンに入力し、業務報告書を作成して上長に提出していた。現場で完結しないこうした作業が残業の要因になっていた。報告書の量も膨大になり、管理が大変だった。

同社はこうした状況を見直すため、わくレポ!の活用を決めた。ペーパーレス化を進め、報告書作成にかかる負荷の軽減を図っている。

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運用変えず簡単導入

わくレポ!はフィールド業務を改善するためのアプリ。現場からタイムリーに報告ができ、報告書作成のための帰社を不要とし、直行直帰や残業の削減を可能とする。

採用の決め手について、供給保安グループの河原勲課長は、「(報告フォーマットの項目は)これまで使用していた帳票をそのまま生かせること。専門知識がなくても誰でも簡単に操作できること。この2点が特に大きかった」と話す。営業設備グループの林美生係長も使い勝手の良さを実感しているという。

わくレポ!では、従来エクセルなどで作成して使っていた帳票をインポートして活用できる。各項目の入力は選択式で、操作が簡単。従来の運用を変えずに導入できるのが大きな特長だ。

今後、倉敷地区の保安担当者(約20ユーザー)もわくレポ!を活用していく。本社供給部と倉敷営業所供給グループはこれまで共通の帳票を使っていて、従来の帳票をそのままわくレポ!で利用できるので、同営業所での導入も円滑に行えるとしている。

業務報告を受ける管理者は写真付き報告書で現場の状況がよく分かる

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複数業務で効率向上

供給部供給保安グループでガバナーなどの点検業務を担当している小野誉弥氏は、「帳票を印刷して現場に持参する必要がなくなり、現場で直接入力ができるので、その分、業務時間の短縮につながっている。点検作業が終了する都度、進捗を報告でき、問題があればすぐに報告できる」と活用効果を話す。

同グループで導管修繕を担当する近藤美輝志氏は、「従来の帳票と異なり、誤ってエクセルの書式変更をしてしまうリスクがなく、作業効率を向上できる」と語った。1日に帳票を1枚作成すると、帳票1種類当たり年間で約7~8時間の作成・印刷時間の削減になると見込む。

今後、緊急対応の修繕作業後の報告には写真を添付する予定だ。わくレポ!の報告では写真の添付もでき、撮影日時やGPS(全地球測位システム)による撮影の位置情報を自動で記録できるため、証跡管理を徹底できる。供給部の供給計画グループや導管建設グループもわくレポ!の活用を進めている。

左から)宮脇係長、近藤氏、小野氏、林係長、河原課長

業務報告を受ける管理者側にとってもメリットは大きい。「紙による報告だと上長の確認・承認の過程で不在者がいると処理が止まってしまうこともあった。わくレポ!であれば、管理者は社外からも随時チェックでき、確認・承認のスピードがかなり上がった」(河原課長)という。林係長も「写真付きの報告があがってくるので現場の全体状況がよく分かる。報告書の不明点について担当者に迅速に確認できる」と話す。

わくレポ!にはこのほかにも、機密性の高い資料(業務マニュアルや作業指示書、図面など)をクラウドで管理し、現場で閲覧できる機能もある(オプション)。現場への資料の持ち出しを不要とし、重要資料を紛失するリスクを抑えられる。スマホ本体に情報は残らないため、万が一スマホを紛失しても情報漏えいを防げる。

総務グループの宮脇雄一係長は、「1月には倉敷営業所のほか、ガス機器の修理を手掛ける営業設備部の修理センターも本格導入した(計約40ユーザー)。今後、改良を加え、さらに使い勝手を良くできるようであれば、未採用の部署でも活用の検討が進むかもしれない」としている。

ガスエネルギー新聞 2021年2月15日
「わくレポ!」の特長


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