概要

総合エンタテインメント企業として、あらゆる世代に夢と感動をお届けするセガサミーグループ。ゲームメーカーのセガとパチンコ・パチスロメーカーのサミーを中心とした幅広いエンタテインメント領域において、世界をマーケットに躍進を続けている。セガサミーホールディングス株式会社は、同グループの持ち株会社としてグループの経営管理とそれに伴う業務を担当。

グループ内のITシステムを統括する立場として、特権IDの管理強化と効率化を図るために、SaaSサービスを利用した特権ID管理システムを導入した。

課題

特権IDの管理が課題に

少人数でグループ全体の会計システムを管理する重圧

セガサミーグループでは、セガサミーホールディングスのシステム部門が運用主幹となり、基幹会計システムをシェアード展開している。基幹会計システムは、グループ全体の財務諸表となるデータを蓄積する大変重要な位置づけにある。その管理・運用において、内部統制の強化が求められ、監査法人のシステム監査やIT全般統制評価も年々厳しくなってきた。特にサーバに対してあらゆる操作が可能な特権IDは、セキュリティリスクが高いため、重点チェックポイントになっている。

渡邊 陽吉氏

管理本部システム企画部部長の渡邊陽吉氏は、「特権IDは厳重な管理と運用が求められますが、弊社では2名のシステム要員が全て手作業で管理していました。少人数体制でグループの重要システムを預かるわけですから、管理にかかる手間はもちろん、万一のミスも許されないという重圧は小さいものではありません」と語る。

台帳管理と特権IDの回収ができるシステムを検討

同社における特権IDの運用は、定期的なパスワードの変更および、システムメンテナンスや開発作業でのベンダーへの貸与が主体となっている。これら全ての作業をExcelの台帳で管理していたが、パスワード変更作業の手間だけではなく、貸与期限を迎えた特権IDの利用権を即時・確実に取り戻さなければならない点には、いつも気をつかっていたという。

「いろいろと悩んでいる折、NTTソフトウェアさんとお話しする機会があり、我々の状況を説明したところ、特権ID管理システム『iDoperation』のお話をいただいたのです。これがまさに弊社のニーズにぴったり合致したものだったのです」と振り返る渡邊氏。これを機に、「iDoperation」の評価導入を検討することになった。「評価の結果、現場のシステム要員の負担・重圧が軽減され、ハッピーになれるのなら本導入すれば良い」という渡邊氏の考えにNTTソフトウェアが応える形で、半年間の評価導入がスタートしたのである。

解決へのアプローチ

SaaSを活用した特権IDの管理

サーバ管理負担の少ないSaaSを評価

評価導入にあたっては、一番の課題であった「パスワードの自動変更」に機能を絞った。その際、NTTソフトウェアより「SaaS」での導入形態が提案された。運用管理系のツールは、省力化が目的と見られがちである。あまり費用をかけにくいという観点から、サーバ管理負担をかけずに、必要な機能のみ利用するSaaSでの導入は理にかなっていたのである。渡邊氏も「運用管理ツール用のサーバ機器を追加することで運用管理の対象が増え、効率化が損なわれては本末転倒です。少人数でのオペレーションでは効率化が一番の課題で、クラウド全般に言われるセキュリティ面さえ担保できれば問題はないと判断しました」と、今回のSaaSの利用について語る。

即時導入できるSaaS を採用

管理本部システム企画部スペシャリストの坂上直樹氏にセキュリティ面についてお話を伺った。「SaaSでは、特権IDを一括管理するサーバをNTTソフトウェアさんにお預けするために、こちらから裏側の仕組みが全く見えません。どういった管理がなされるのか、その点は非常に大事なところで、稼働保証の確認やアクセス権の分界点など契約内容やサービス仕様については非常に気を遣いました。事細かに検討を重ね、それに対してNTTソフトウェアさんはとても前向きに応えてくださいました」。 特権IDの管理をSaaSサービスで行う例は、現時点では「iDoperation」をおいて他にない。坂上氏からも「SaaSはハードウェアやOS部分を意識せず、利用したい機能だけに気を配れば良いという点で、効率化の効果を最大限に享受できます。SaaSサービスで対応できる業務の場合は即時導入できるのでおすすめですね」と、好意的なご意見をいただいた。

サービス概念図イメージ

ソリューションとその成果

導入結果に満足

操作性の高さと納得のいく対応

渡邊氏、坂上氏とも、評価導入の段階から、製品自体が様々なプラットフォームに対応できる点、直感的に操作しやすい点について高く評価できたという。さらに評価期間中は、機能面だけではなくSaaSのサービス内容からコスト面に至るまで様々な意見交換を重ね、同社のニーズが的確に反映されていった。こうして半年間の評価導入を経て、技術面・契約面・サポート体制全てにおいて満足度の高い評価が得られ、平成25年5月より本運用の運びとなった。渡邊氏は、評価結果について次のように語る。「ここまで積極的にヒアリングして、納得のいくまで対応してくださったテストケースはありませんでした。本運用をしていく上で高い信頼関係が築けたと満足しています」。

監査対応の省力化と運用ミスの回避

坂上 直樹氏

坂上氏の評価は次の通りだ。「ベンダーさんに貸し出した特権IDを確実に回収でき、リスク低減を図れたことが最も大きい効果だと思います。パスワード変更履歴も自動的に残るので、監査対応を省力化することも達成できました。パスワード変更はもともと月に1度やるだけの操作なので、効率化による工数低減効果という面では微少ですが、それでも今まで2~3時間費やしていたことがほんの10分でできます。しかも手作業によるミスを回避できるようになりました。何よりもこの点が大きいですね」。

今後の展開

今後への期待

グループ内の展開も視野

最後に、今後の拡張について渡邊氏に尋ねてみた。「対象サーバは順次増やしていきたいと考えています。ワークフロー機能との連動も、費用対効果が見合えば検討したいですね。しかし、一定の効果を得るためにはある程度のボリュームが必要とも考えていますので、グループ内でもニーズがあれば積極的に訴求していきたいと思います」。現場サイドからも、手続きがワークフロー化されて、シームレスに連動できれば高い効率化が望めると、拡張については大きな期待が寄せられているそうだ。坂上氏も、「現時点ではOSのアカウントのみですが、アプリケーション系の特権IDも検討していきたいです」と前向きに語ってくださった。

グループの中核を担うに相応しい特権IDの万全な運用管理のため、さらなる拡張へ。セガサミーホールディングスの視線は、すでにもう一歩先の未来を見据えている。

お客様プロフィール

 お客様プロフィール
設立 2004年10月1日
事業概要 総合エンタテインメント企業グループの持ち株会社としてグループの経営管理及びそれに付帯する
資本金 299億円(2010年3月31日現在)
従業員数 103名(2013年3月31日現在)
URL https://www.segasammy.co.jp/japanese/index.html

パチンコCR神獣王イメージ 竜が如くPRポスターイメージ

※2013年10月末時点現在