概要

新型コロナウイルス感染拡大の影響で加速した消費行動のデジタルシフトは、終息後も確実に加速する。中央労働金庫(中央ろうきん)は、Web系取引を支援、提案する新しいチャネルとして新コンタクトセンターを開設。
画面構成を柔軟にカスタマイズでき、チャネルなど拡張性の高いCRMソリューション「CTBASE/AgentProSMART」を採用した。

課題

中央ろうきんは、労働組合や生協の組合員が出資・設立した金融機関で、関東の1都7県に拠点を置く日本最大の労働金庫だ。一般的な金融機関と同様、預金、融資、各種サービスを取り扱う。同金庫は2022年4月、以前から稼働しているワークピア横浜のコールセンターに加え、Web系取引の支援や提案も担うコンタクトセンターを新たに開設した。

コールセンターが店舗案内など、一般的な問い合わせ対応を中心としているのに対し、コンタクトセンターはWeb関連サービスに関する専門的な問い合わせを含めた相談窓口となる。職員数は10名、Web取引を希望されるお客様には、電話応対を通じてのきめ細やかな案内も求められるため、専門知識を有した正職員が顧客対応を実施している。

また、店舗での営業時間終了後や店舗定休日の土日も稼働する。「労働組合や生協の組合員(会社員)であるお客様に、仕事が終わった後やお休みの日でも気軽に相談できる非対面チャネルを増やしたいと考えました。また、コロナ禍によってお客様の行動がデジタル化し、窓口へ来店することなく自宅でローンの申し込みを希望する方も増えています。こうしたトレンドを踏まえ、新しいコンタクトセンターの開設を決定しました」と営業統括部(コンタクトセンター)担当部長の高橋真由美氏は語る。

解決へのアプローチ

ネットワークからCRMまでフルクラウド型の柔軟性を評価

システム選定では、「スピード感」「柔軟性」を重視した。拠点や組織体制の変更にさほど依存しない「フルクラウド型」を中心に検討。アウトバウンドやオムニチャネル連携にも対応できる拡張性の高さを評価し、NTTテクノクロスのCRMアプリケーション「CTBASE/AgentProSMART」を採用した。

ネットワークとシステム構成イメージは図1の通りだ。基盤システムとして、やはりクラウド型のプラットフォームサービスであるNTTビジネスソリューションズの「ONE CONTACTNetwork」を採用。コンタクトセンターではSV、オペレータがCTBASE/AgentProSMARTを操作し、顧客対応する。

図1 「CTBASE/AgentProSMART」 ─ システム構成イメージ

図1 「CTBASE/AgentProSMART」 ─ システム構成イメージ

CTBASE/AgentProSMARTの最大の特徴は、業務に合わせて画面項目や選択肢設定の追加変更を簡単に設定できるカスタマイズ性の高さにある。結果、オペレータなどの対応要員にとっては、入力操作なども習熟しやすい。営業統括部(コンタクトセンター)次長の長﨑哲男氏は、「NTTテクノクロスにリクエストして、設定していただいたのは導入初期のみで、以降は現場のオペレータの要望に合わせて、私たちが適宜、修正を加えています」と同システムの持つ柔軟性やわかりやすいUIを評価する(図2)。

システム導入から運営開始までの期間はわずか2カ月半で、このスピード感もフルクラウドの柔軟性が活かされた結果といえる。開発はいわゆるアジャイル型で進み、導入前の要件定義も厳密に実施する必要はなかった。営業統括部(コンタクトセンター)調査役の安中崇博氏は、「従来のオンプレミス型の要件定義に比べると、ユーザー定義などの難易度がはるかに低かった印象があります」と振り返る。

3つのステップで設定完了!①入力項目定義、画面表示項目を設定②画面設定のプロパティを設定③プレビュー参照

図2 「CTBASE/AgentProSMART」簡単設定 ─ 入力項目を新たに作りたい場合

ソリューションとその成果

「営業拠点」としての役割を支援するCRMが持つ機能をフル活用

コンタクトセンターは営業統括部の管轄で、相談内容に応じてアップセルやクロスセルを積極的に実施する「営業拠点」の性格も持つ。このため、現行のコールセンターと異なり、アウトバウンド活用も視野に入れてCTBASE/AgentProSMARTを採用して、システムを構築した。

CTBAS/AgentProSMARTでは、イン/アウトバウンド業務を同じ画面で一元的に管理可能だ。アウトバウンド機能は、顧客情報を取り込んでリストを抽出、業務内容やオペレータのスキルに合わせて架電方法(オートコール、オートセレクトコール、マニュアルコール)を選択できる。
また、コンタクト率や獲得・成約率などの成果をレポート化して次の架電計画に活かすといった成果向上サイクルの推進もサポートする。

また同システムは、顧客対応データをExcelやWordといった、使い慣れているOfficeフォーマットに出力可能。ダッシュボード化することもできる。長﨑氏は、「全体傾向を分析するためにレポート機能を活用していきます。また、1コールごとの業績貢献度を測ることもできます」と営業拠点としての機能にも期待を寄せる。

コンタクトセンターは正職員が対応する拠点なだけに、多岐にわたる相談に適切に対応できる提案力や顧客への気遣いなど、数値化できないノウハウをどのように共有、活用するかも課題だ。CTBASE/AgentProSMARTの活用が、中央ろうきんのコンタクトセンターの今後の方向性を左右する存在になりそうだ。

ONE CONTACTは、コンタクトセンターを軸としたBPO・BPR・CX革新に関するNTTグループ統一のビジネスブランドです。

今後の展開

写真左から 安中 崇博 氏、高橋 真由美 氏、長﨑 哲男 氏

お客様プロフィール

 お客様プロフィール
設立 1952年4月25日(2001年4月1日合併)
URL https://chuo.rokin.com/

※2021年9月末現在