概要

 昭和21年の創業以来、「科学的根拠に基づく」健康情報・サービスを提供し続けている株式会社保健同人社。顧客ニーズや世の中の動向が大きく変化するなか、業務効率化をはかりつつ、将来のサービス拡充に備えるために、「健康相談」や「メンタルヘルス相談」に対応するコールセンターのCRMシステムを中心に刷新を行った。

  • 日立金属商事株式会社 様
  • (左)
    角 武憲 氏

    株式会社保健同人社
    健康支援サービス事業部
    健康相談グループ

    (右)
    川杉 貴代 氏

    株式会社保健同人社
    健康支援サービス事業部
    メンタル相談グループ
    グループリーダー

課題

背景

現状課題を解決しつつ、将来に向けて高付加価値サービスにも対応できるシステムを構築したい

 同社では、2001年に前システム導入後、追加開発によるバージョンアップはしつつもCRMシステムの変更をしない状態で事業を運営していた。そのために、業務要件とシステム要件が十分に一致していない、システムに柔軟性がなくシステム間連携が悪い、システムを利用する相談員の新人教育に時間がかかるなど、業務効率の低下、事業機会の喪失などの課題を抱えていた。また、顧客(契約団体)に提出する報告書を、CRMシステムに登録された相談記録から時間をかけて作成をしていた。

「報告書は、相談員が手入力した相談記録を元に作られていましたが、単純な誤字脱字や、品質にもばらつきがありました。そのため、内容のチェックが欠かせず、多くの工数が発生していたのです」と語るのは、健康支援サービス事業部の川杉 貴代 氏と角 武憲 氏だ。さらに既存システムは、過去の相談事例を参照しようとしても検索機能に柔軟性がなく、また、多様化するニーズへ対応するための機能を導入しようとしても限界があった。効率化の追求、サービスレベルの向上を目指す上で、多くの課題を抱えていた。

 そこで、業務効率の問題を解決しつつ、将来に向けて高付加価値サービスにも対応できる可能性を拡げるため、CRMを中心としたコールセンターシステムの全面刷新プロジェクトが動き出した。

解決へのアプローチ

選定

コールセンター業務の豊富なノウハウと、課題解決に向けた具体性ある提案を評価

 プロジェクト成功に向けて同社は、2013年以降、複数のベンダに対してRFP作成を依頼。

 その後、複数社より提案を受けて比較検討を行った結果、NTTテクノクロスを選定。コールセンター向け顧客管理/応対管理システム(CRM)「CTBASE/AgentProSMART(以下AgentProSMART)」やCTI連携ソフトフォン「CTBASE/JointPro(以下JointPro)」を中心に導入が決まった。

 充実した管理機能を備え、画面設計が容易で、かつ柔軟性が高いAgentProSMARTなら、業務の効率化のみならず高度化するサービスニーズへの対応を実現するシステムが構築できると考えたからだ。そして、NTTテクノクロス社が長年培ってきたコールセンター業務に関する豊富なノウハウなどが選定の決め手となった。

「NTTテクノクロスさんは、単にシステムを提案するだけにとどまらず、時間をかけて弊社のビジネスを深く理解してくれ、その上で、様々な問題・課題の解決に向けた具体性ある提案を行なってくれました。もっとこうできたら便利なのに……という細かなニーズを十分に吸い上げ、より簡便に業務が行える環境構築に向けて、ひざ詰めの検討を繰り返してくれたのです。その過程で、NTTテクノクロスさんなら安心!と確信しました」(川杉氏)。

ソリューションとその成果

構築

理想の業務画面を確認しながら進めることができたAgentProSMART

 構築・導入にあたっては、相談員が日々利用する顧客管理/応対管理システム(CRM)の画面の設計や、実際に搭載する機能について、じっくり時間をかけて取り組んだ。

「電話での相談対応から相談履歴の記録、報告書の作成まで、相談員の作業は多岐にわたります。そのため、業務の効率化を図る上では、必要な項目が使い勝手良く配置された画面設計が重要です。例えば、過去の全相談内容を分析してパターン化し、それをプルダウンメニューから選べるようにするなど、NTTテクノクロスさんと一緒に細かなところまで詰めていきました」(角氏)。

「実現したい内容を伝えると、AgentProSMARTの画面をその場で即時に作成や調整していただいたり、スムーズな運用につながる提案をしていただいたり、現場の相談員たちと一緒に〝実際の対応の場面をイメージしながら進める〟ことができました。システムが変わることに大きな不安を感じていた相談員たちも、設計段階で作業効率改善を実感することができたはず。そのことが、安心や期待につながったのではないかと思います」(川杉氏)。


今後の展開

効果

業務効率や応対品質を意識した、センター運営のコントロールを実現

 機能の検討や画面設計にじっくり時間をかけた分、新システムへの移行はスムーズだった。しかも、「応対効率が上がった」、「相談記録が簡単になった」、「報告書作成が楽になった」など、相談員の評価も上々だという。

「NTTテクノクロスさんに講師役をお願いし、本番運用前の研修を実施するなど、疑問点や不安の払拭に努めたこともよかったと思います。カットオーバー後になにか不明点が出てきても、NTTテクノクロスさんに的確なアドバイスをいただけるので安心でした」(角氏)。

 

 今回のリプレイスによって、同社は次のような効果(メリット)を実現している。

◆相談業務を大幅に効率化、応対品質も向上

 AgentProSMARTやJointProの活用によって、相談1件あたりの対応時間を短縮。相談記録の登録からお客様へ提示する報告書の出力まで一気通貫を実現し、報告書作成にかかる手間を大幅に削減することに成功。特に、AgentProSMARTのFAQ機能を活用することにより、業務効率化だけでなく、相談員個人による登録内容のバラつきの均一化にも貢献した。

 容易な操作性により、相談員はさらに、顧客対応に集中できるようになった。また、充実した検索機能によって、過去の相談履歴、相談内容の傾向を瞬時に把握できるようになり、応対品質の向上につながった。

◆センター運営の可視化とコントロールを実現

 相談員ごとの電話応対や後処理の時間を把握できるようになったことから、相談室全体の稼働状況が見える化され、それに伴い相談員自身の意識も高まった。

 また、各相談員の対応状況についても、客観的なデータに基づく指導・フィードバックができるようになった。結果、相談員全体のパフォーマンスを上げるなど、品質面と業務効率の両方を意識したセンター運営が実現した。

展望

多様化するニーズに応えつつ、これからの相談サービスを追求

 同社では、今後も現場の声を取り入れて自分たちで画面構成をブラッシュアップしていき、さらなるサービスレベルの向上と業務効率化を進めていく計画だ。今回のシステム更新で、多様化するニーズに対応できる相談サービスへの道が開かれたことは明白。AgentProSMARTのメリットである豊富なAPI連携を利用してチャットでの相談を追加するなど、将来的な課題に向けての施策も検討が進んでいる。

「今後も良きビジネスパートナーとして、NTTテクノクロスさんには期待しています」(角氏・川杉氏)。




CTBASEが選ばれる理由

お客様プロフィール

 お客様プロフィール
設立 1948年4月28日
事業概要 累計330万部を誇るロングセラー『家庭の医学』で知られる出版事業のほか、健保・共済組合/自治体/企業人事部/生保加入者を対象とした「健康・こころの相談サービス(電話相談)」「面接相談」「Web相談」「保健指導」「セミナー・研修」「パンフレット作成」「コンテンツ配信」などのサービス、保健同人社ならではの健康・医療情報を活かした「Webサイト制作」「コンテンツ提供」。サイト運用代行などを支援する「Web・モバイルサービス」を展開。総合メディカルHDグループ。
資本金 5,987万円
URL https://www.hokendohjin.co.jp/