概要

 1967年創業 株式会社 技研製作所は土木の分野で無公害工法、産業機械の開発と製造販売、レンタル事業を展開。強靭なインフラを環境に優しく、急速構築する施工技術「インプラント工法Ⓡ」を開発し普及に努めている。
同社では、アナログに頼っていた営業部門、生産管理部門において、NTTテクノクロス株式会社(以下、 NTTテクノクロス) が販売するブラウザベースのBlツール「InfoCabina Yellowfin Cloud」を導入。営業部門では売上の進捗管理、ノウハウのデータ化を、生産管理部門では生産工程の管理、原価管理などで「データの見える化」を実現し、業務の効率化、生産性向上に取り組んでいる。

課題

営業部門の活動状況を「見える化」したい
その第一歩がBlツール「InfoCabina Yellowfin Cloud」の導入だった

株式会社 技研製作所 東京本社

 同社の営業体制は、東日本、西日本とエリアを分け、営業社員は6名で担当している。 そこでの課題が、実績のあるベテラン営業担当にノウハウが集中し、顧客情報、取引の詳細、顧客が抱えている課題、キーマンの情報など、属人化が進んでいたことだ。 担当者の記憶に頼る部分も多く、直属の上司でも、取引状況をすぐに把握できない状態となっていた。また、ベテラン営業担当の高齢化も進み、後継人材の育成にも問題が生じていた。そこで経営層が「営業の見える化」を構想、Blツール「InfoCabina Yellowfin Cloud」の導入を決めたという。

同社販売企画部の徳森氏は「現場ではアナログで業務を行っていたところ、経営層がここを可視化すべきと考えました。 SFDCなどの営業支援ツールも検討しましたが、まずは基幹システムに入力されたまま未活用となっている各種データの整理、可視化から始めることとし、BIツールを導入して営業データを見える化しようと考えました」と語る。

「InfoCabina Yellowfin Cloud」が選ばれた理由は、経営層が展示会で説明を受け魅力を感じたこと、そのポイントは、担当者が見たい、欲しいデータが得られること、分析機能に優れていること、AWS上のクラウドサービスであり導入が手軽なことだったという。

データ分析にとどまらず、コミュニケーションの活性化と
営業ノウハウの共有化を目論む

 「Yellowfinを営業現場でもっと使いこなそうと取り組んでいます。まず、営業担当が使いやすい環境を作ろうという段階です」。 営業の売上進捗管理、受注管理、その分析以外に魅力的な機能があるという。

「Yellowfinには、データ管理、分析機能以外にコミュニケーションツールもあるのですが、これが選定理由の一つでした。自分が作った企画資料をアップし、互いにコメントし合ってブラッシュアップしていくなど、顧客情報や事例の共有も一貫性のある販売戦略に有用です」。 コミュニケーションが活性化されることで、営業情報の共有化が促進され、「営業属人化」が解消されることが部門内の目標である。さらに、営業担当同士にとどまらず、製品情報、高度な技術情報、顧客が喜んだ事例などが、各部門にフィードバックされることが全社的な目標となっている。

製造部門の資料作成時間が大幅に削減、分析に時間をかけることが可能に

 同社では、営業部門だけではなく、生産管理、つまり製造部門でも「Yellowfin」を活用している。その用途は、製造現場で起こったことの記録・工程を分析し、再び製造現場へフィードバックすることだ。同社生産管理部の北村氏は次のように語る。

「以前はデータをエクセルに入力し、グラフ化して資料を作成していました。データを集めるのにも、入力、作表にも相当時間がかかっており、資料ができたらそれで安心してしまうなど、資料作成が目的化してしまい、その先の分析にかける時間がほとんど取れませんでした。しかし、Yellowfinの導入で、データの収集、入力、グラフ作成などの手間がほとんどなくなり、資料作成にかかる時間が数分の一になりました。おかげで、きちんと分析に時間がかけられるようになったのです。これまで見えていなかった製造・組立時の課題、経過なども体系的にわかるようになってきました」。この体系的な課題の「見える化」により新製品、既存製品の改善に役立てられることになる。

全社でBIツールを導入することで、社内業務からサプライヤーとの取引まで、全体の最適化を実現

 同社の製品は多品種少量生産で、基本的な部分は同じでも求められる現場によってカスタマイズが必要となる。そこで部品を供給してくれるサプライヤーとの関係も重要だ。生産管理のデータを見ることで、複数あるサプライヤーからの仕入れ状況を把握し、適正化を図ることもできる。同社生産管理部の中内氏は次のように考えている。

「部品の価格は生き物のように変化していきます。それをきちんとデータで分析できれば、価格の変動を予想できる可能性がある。また営業部門とデータ連係していれば、受注予測も立つので、それに応じた部品調達も実現できると考えています。結果的に、生産原価の最適化、製造工程の最適化が実現するはずです」。

創業以来50年以上蓄積されてきた、大量のビッグデータ活用を進めていきたい

 同社の歴史は50年以上になり、その間に蓄積されたデータは大量にある。現状では、それらのデータが活用されているとはいいにくい。同社生産管理部の北村氏は次のように語る。 「正直なところ、まだBIツールを使い始めたばかり。大量のビッグデータの中で、何が使えて、何が使えないかわからない。もしかしたら、今後役に立つデータが眠っている可能性もある。それを掘り起こしていきたいと思っています」。

例えば、納品後何年でのメンテナンスが有効だったか、どのようなメンテナンスが効果的だったかなどは、長年の経過観察が必要だ、そういったデータ分析も今後可能になってくる。販売企画部の徳森氏も同様の考えを持っている。

「いま当社ではデジタル化を始めたばかりです。NTTテクノクロスさんはそのガイドをしてくれている。今後は眠っているデータの活用、システムの全社導入、新たなツールの導入など、一層のコンサルティングとサポートをお願いしたい。これまでも導入の伴走支援などで想定以上の貢献をいただいているので、これからも大きな期待を寄せています」。

お客様プロフィール

社名 株式会社 技研製作所
URL https://www.giken.com/ja/
設立 1978年1月6日(昭和53年)/ 創業1967年1月1日(昭和42年)
資本金 8,843百万円 (2020年8月末現在)
従業員数 633名(連結/2020年8月末現在)
事業内容

●無公害工法・産業機械の研究開発および製造販売ならびにレンタル事業 ●土木建築その他建設工事全般に関する業務ならびにコンサルタント業務 ●土木施工技術・工法の研究開発 ●上記に関する海外事業

本社所在地

東京本社:〒135-0063 東京都江東区有明3丁目7番18号 有明セントラルタワー16階
高知本社:〒781-5195 高知県高知市布師田3948番地1

※2021年9月現在